喘息(ぜんそく)

目次

1.ぜん息とは
 ・ぜん息はなぜ起こるの?
 ・原因・きっかけは?

2.ぜん息の診断
 ・ぜん息で行う検査は?

3.ぜん息の治療
 ・吸入薬
 ・市販薬はどうか?

1.ぜん息とは

喘息は発作的に空気の通り道が狭くなることで、

①咳や息を吐くときにヒューヒューゼーゼーという笛の鳴るような音が鳴る(ぜんめい)

②呼吸が苦しくなる状態を繰り返す

病気です。

ぜん息はなぜ起こるの?

喘息では空気の通り道(気道)に炎症が起こり、気道が狭くなるとぜん息の症状が出てきます。

炎症が軽ければ元のように戻りますが、発作を繰り返すと徐々に気管が細くなり呼吸をする機能が低下します

そのため、発作を起こさないように症状がひどくない時も治療することが重要です。

原因・きっかけは?

よくある原因・きっかけとして以下のようなものがあります。

  1. アレルゲン:ハウスダスト、ダニ、花粉、カビ、ペットのフケなど。
  2. 呼吸器感染:風邪やインフルエンザなどのウイルス感染症。
  3. 運動:特に冷たい空気の中での激しい運動。
  4. 空気汚染:タバコの煙、自動車の排気ガス、工業汚染など。
  5. 気象条件:冷たい空気、湿度の高い空気、急激な天候の変化。
布団のダニのイラスト

2.ぜん息の診断

1.症状と病歴の評価

  • 症状の確認:喘息の典型的な症状について問診を行います。
  • 病歴の確認:家族歴(喘息や他のアレルギー性疾患の家族歴)、生活習慣、職業歴、症状のきっかけなどについて聴取します。

2. 身体検査

  • 聴診:肺の音を聞き、喘鳴や他の異常な呼吸音がないか聴診します。
  • その他の診察:鼻、喉、皮膚などアレルギーに関連する兆候がないかも診察します。

ぜん息で行う検査は?

ぜん息では以下のような検査を行います。

  • アレルギーテスト(view39):血液検査で特定のアレルゲンに対する反応を調べます
  • 呼気NO測定:吐いた息の一酸化窒素のレベルを測定し、気道の炎症の程度を評価します。(2024年4月導入)
  • 呼吸機能検査:肺活量や気管の細さなどを評価します。(2024年6月頃導入予定)

3.ぜん息の治療

喘息の治療は症状のコントロールと喘息発作の予防を目的とし、以下のような治療が大切です。

  1. 薬物療法( 吸入薬、内服)
  2. 誘因の回避と環境調整:アレルゲンの除去、生活環境の調整と管理
  3. 生活習慣の調整

吸入薬

吸入の種類には以下の二つがあり、それぞれ特徴があります

  1. ネブライザー
    液体の薬を機械に入れることで霧状になり、それを吸い込むことで効果を発揮します。
    マスクを口に当てるだけで良いので小さなお子さんに向いていますが、手入れがやや面倒です。
    乳児〜幼児に使うことが多いです。
  2. 吸入器
    粉やミスト状のものなどがあります、小児ではスペーサーという容器をつけて吸入することもあります。
    幼児〜成人に対して使うことが多いです。

吸入器のスペーサーを使う子供のイラスト(女の子)

市販薬はどうか?

ぜん息の市販薬には気管支拡張作用があるため、発作時に病院に行けない時には使用可能です。

ただし炎症を抑える作用はないので、使い続けると炎症を繰り返して徐々に呼吸器の機能が低下するリスクがあります。

市販薬の使用は一時的に使うことに留め、ぜん息の症状がある場合には必ず医療機関を受診しましょう

アレルギー科

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