アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎はかゆみを伴う、慢性的に続く皮膚炎のことをいいます。
アトピー性皮膚炎の原因
皮膚の乾燥やバリア機能の異常が根本にあり、そこへさまざまな刺激やアレルギー反応が加わって生じるといわれています。
アトピー性皮膚炎の治療の目標
アトピー性皮膚炎は完治することはありませんが、コントロールを良くすることで完治に近い「寛解」の状態を維持することができます。
おもな治療目標のポイントは下記の2点です。
- 症状はないか、あっても軽く日常生活に支障がなく薬物療法を必要としない。
- 軽い症状は続くが、急激に悪化することはまれで悪化しても持続しない。
アトピー性皮膚炎の治療
スキンケア
炎症を抑えると共にスキンケアをきちんと行うことがアトピー性皮膚炎治療の大原則です。せっかく外用薬などで炎症を治めても、正しいスキンケアをしないとすぐにぶり返してしまいます。
皮膚の清潔のために刺激の少ない石鹸をよく泡立てて軽く洗い、効果の高い保湿剤を1日2回は塗るようにします。
外用薬の使用
- ステロイド外用薬
- 非ステロイド外用薬
- カルシニューリン阻害外用薬(タクロリムス軟膏)
- JAK阻害外用薬(デルゴシチニブ軟膏)
その他
通常の治療を行ってもなかなか良くならない場合は、悪化因子を調べて取り除くこともとても大切なことです。
まず原因となるアレルゲンについては乳幼児では食物アレルゲン、それ以降ではダニ、ハウスダストなどの環境アレルゲンが関係していることがあります。アレルゲン検査を行って、実際にそれらで悪化するかを確認することもあります。
また悪化の原因として、汗、空気の乾燥、皮膚に触れる物質、ストレスなどもあります。皮膚の治療だけでなく生活環境を整えていくことも必要です。
アレルギーの原因を知るための血液検査も随時行っておりますので、ぜひご相談ください。
公益社団法人 日本皮膚科学会
一般社団法人 日本アレルギー学会