アデノウイルス感染症
アデノウィルスは一般的な風邪のウィルスの1つです。たくさんの型があるため、さまざまな型で何度も感染してしまいます。5歳以下の子供が感染することが多く、ウィルスの型によって呼吸器症状、発熱、目の症状、胃腸炎、出血性膀胱炎など、さまざまな症状がみられます。潜伏期間は5~7日ほどです。
咽頭結膜炎の症状では、1日の中で37.0~40.0℃近い熱が上がったり下がったりすることが4~5日続き、扁桃腺、リンパの腫れ、のどの痛みが現れます。腹痛、下痢、嘔吐などの症状を伴うこともあります。目が真っ赤に充血、目やにが出ることがあり、夏にプールで流行しやすかったため、かつてはプール熱と呼ばれることもありました。現在はプールで感染することはまれになっています。
高熱やのどの症状は出ませんが、ウィルスが付いた手で目をこすったりすることで充血、目やに、まぶたの腫れなどの流行性角結膜炎(いわゆるはやり目)になってしまいます。放置すると痛みがでたり、異物感が出てきたりするので、早めに受診をしましょう。
周囲の感染状況や症状からアデノウィルスの感染が疑わしい場合は、のど、目やに、便などから検体を採取し抗原検査を行います。5~10分ほどで結果がわかり、診断をすることができます。治療は対症療法です。
アデノウィルスはとても感染力が強いウィルスです。一般的な手指消毒用のアルコールでは死滅しにくいため、流水と石鹼による手洗い、うがいが有効とされています。またアデノウィルスは熱に弱いので、使った食器、リネン類などは煮沸または次亜塩素酸ナトリウムでの消毒が有効とされています。
子どもに多い感染症ですが、看病をする大人も感染する可能性があるので注意しましょう。