胃腸炎
胃腸炎とは胃や腸の内壁が炎症を起こす病気のことをいいます。さまざまな原因によって起こります。
胃腸炎の種類
おもに感染性胃腸炎、非感染性胃腸炎の2つのタイプがあります。
- 感染性胃腸炎:ウィルス、細菌、寄生虫などが原因で人と人、人が触れた場所への接触、汚染された食べ物、水などを摂取することでおこります。
- 非感染性胃腸炎:食物アレルギー、薬の副作用、慢性の炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)などがあり、ストレスも原因となることがあります。
胃腸炎の症状
胃腸炎では主に下記のような症状があらわれます。
- 吐き気や嘔吐
- 腹痛、下痢
- 発熱
- 食欲不振
これらの症状が続くことにより、水分とともにナトリウム、カリウムなどの電解質が失われ、脱水状態を引き起こします。電解質のバランスが乱れると心臓のリズムや筋肉のけいれんを引き起こすことがあります。特に乳幼児、高齢者は注意が必要です。
感染性胃腸炎の対処方法
原因がノロ、ロタなどのウィルスであった場合、適切な対応をしないと家庭内の感染につながるおそれがあります。日常的な手洗い、消毒をしっかり行い予防をしていきましょう。
トイレ使用後の消毒
下痢症状がある人が使用した後の水洗レバーやドアノブ等、手の触れやすいところからでも感染します。
胃腸炎の原因になるウィルスはアルコールに耐性があり、アルコール消毒では完全に除去できません。次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤を薄めたもの)で消毒しましょう。なお、症状がなくなってからも1週間程度は便からウィルスが排泄され続けます。症状が改善された後も1週間は消毒を続けましょう。
嘔吐物の処理
ウィルスが空気中に飛散することを予防するために、換気をしながら乾燥しないうちに処理をしましょう。処理するときは使い捨ての手袋、マスクをつけて、2次感染を予防します。
直接手で触れないように新聞紙などを使って取り除き、ビニール袋などに入れて口をしっかり縛って破棄します。汚染された場所は次亜塩素酸ナトリウムを含んだペーパータオルを使って消毒し、約10分後水拭きします。
お風呂は最後に
下痢をしている間はシャワーのみにし、お尻を石けんでよく洗いましょう。湯船に入る際は家族の中で最後に入るようにし、湯船はしっかりと洗って十分に乾燥させます。
食中毒による胃腸炎を予防するために
食中毒を防ぐためには、食品の取り扱い、保存、調理をするうえでの注意が必要です。
- 食事前、調理の前後、トイレの後での手洗い
- 生の食品と調理済みの食品を分ける。まな板や包丁もわける。
- 十分に加熱すること
- 食品を適切に保存すること
- 賞味期限や消費期限を確認すること
- 調理や飲水には安全な水であることを確認する
- 冷凍食品は適切に冷蔵庫内や電子レンジの解凍機能を利用して解凍する
まとめ
胃腸炎は原因はさまざまで通年かかる可能性があります。症状を長引かせず適切な治療が受けられるよう、気になる症状がある場合は早めに受診をしてください。
特に子どもやお年寄りはより早く対応しましょう。
日本感染症学会
https://www.kansensho.or.jp/ref/index.html
次亜塩素酸ナトリウムの消毒液の作り方