α-Gal症候群(牛肉・豚肉アレルギー)
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1.α-Gal症候群とは?
マダニ(肉眼でも見える大きなダニ)に噛まれることを契機にα-Galという物質にアレルギーを起こすようになります
牛肉・豚肉などにα-Galが含まれているため
元々これらを食べられていたとしても、新たにアレルギーを発症するようになる病気です
その他α-Gal症候群の人で注意すべきもの
- 羊肉
- ゼラチン(牛・豚由来)
- ホルモン
- ラード
- 牛脂
- 鹿肉
- カレイの卵
- 牛乳
- ブイヨン
- グレービーソース
2.α-Gal症候群の特徴は?
一般的な食物アレルギーは食べてから2時間以内に発症します
一方でα-Gal症候群では3~6時間後に発症することが多いとされます
3.α-Gal症候群の症状は?
以下に示すように皮膚の症状が多いとされます
| 症状 | 頻度 |
| 皮膚症状 | 87% |
| 消化器症状 | 66% |
| 循環器症状 | 31% |
| 呼吸器症状 | 24% |
アナフィラキシーの頻度が高く約75%とされております
4.α-Gal症候群になりにくい血液型
B型・AB型の人はほとんどならないとされております(95%はA型とO型)
これはB型の血液型の成分がα-Galと似ているため、異物として認識されにくいためではと考えられております
5.α-Gal症候群の治療・対応は?
- 誤食などの緊急時の薬の処方(エピペン®︎、抗ヒスタミン薬など)
- 原因食品の除去
- マダニ回避(森や林を避ける、ペットに駆虫薬を用いるなど)
などの対応が必要と考えらます
6.まとめ
α-Gal症候群は
- 食べて直ぐに発症しない
- 今までは食べても問題がなかった食べ物でも発症する
といった特徴から見逃されやすいアレルギーと考えられます
アレルギー症状が出た場合は、普段から食べ慣れたものも含めて疑うことが大切です
