コチニール色素アレルギー(赤色色素アレルギー)

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1. コチニール色素とは?

  • コチニール色素は赤色の色素の一種で、化粧品や食品などに広く含まれます
  • コチニールカイガラムシ(エンジムシ)というサボテンに寄生する虫から抽出されます
  • コチニール色素の赤色色素をカルミン酸といい、カルミン酸を安定化させたものをカルミンと言います
  • コチニール色素アレルギーの原因は詳しくはわかっておりませんがコチニールカイガラムシ由来の蛋白質、カルミン酸、カルミンなどが疑われています

2. コチニール色素アレルギーの原因とは?

コチニール色素アレルギーをきたす人のほとんどは成人の女性です

コチニール色素を含んだ化粧品で蕁麻疹を起こしたことがある人が多いため

  1. 化粧品に含まれたコチニール色素が皮膚から侵入する
  2. 皮膚から入ってきたコチニール色素を体がアレルギー物質と認識するようになる
  3. 口からコチニール色素が入ってきたときに全身のアレルギー症状をきたす

のではないかと考えられております

2-1. 注意すべき化粧品は?

アイライン、チーク、口紅などでも報告がありますが

アイシャドウが最も報告が多いです(日本製だけでなく韓国製、フランス製などでも報告多い)

特に赤系のアイシャドウで瞼の腫れを自覚された場合にはコチニール色素アレルギーに注意する必要があります

2-2. 注意すべき食品は?

マカロン、ハム、魚肉ソーセージ、いちご味の食品・飲料、赤色のお酒など赤〜ピンクの食品に多いとされますが

焼肉のタレや焼き鳥のタレなどにも含まれるとされます

3. コチニール色素アレルギーではどんな症状が出る?

瞼の腫れ(眼瞼腫脹)アナフィラキシー(重度のアレルギー)をきたしやすいとされます

その他には以下のような症状を来すこともあります

  • 皮膚症状(蕁麻疹)
  • 消化器症状(嘔吐など)
  • 呼吸器症状(息苦しさなど)

4. コチニール色素アレルギーが疑われた際の検査は?

  • 血液検査(特異的IgE抗体検査)
  • 成分プリックテスト(皮膚テスト)

などがあります、どちらも保険未収載(自費や研究用での検査)となります

また疑わしい化粧品があれば皮膚試験に使う可能性があるため、破棄せずに受診時に持参するのがお勧めです

5. コチニール色素アレルギーの治療は?

基本的には一般的なアレルギーに対する治療と同じになります

  • 症状出現時の薬物療法
    (抗ヒスタミン薬内服、アドレナリン注射、ステロイド外用薬など)
  • 原因の除去
    (コチニール色素を含む化粧品や食品を避ける)

6. まとめ

コチニール色素アレルギーは成人女性に多い食後の瞼の腫れの重要な鑑別疾患です

普段食べ慣れている食品でも、コチニール色素の有無やその含有量により症状が必ずしも出ると限りません

重度のアレルギー症状をきたす可能性があり、近年増加傾向とされるため注意が必要な病気です

参考文献

  • 2023年以降に経験したコチニールアレルギー19例の臨床症状と発症機序の検討 ;佐藤 奈由:第74回日本アレルギー学会学術大会

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