甲状腺機能低下症(橋本病など)
目次
- 甲状腺機能低下症とは
- 甲状腺機能低下の原因
-原発性甲状腺機能低下症(橋本病など)
-二次性甲状腺機能低下症
-三次性甲状腺機能低下症 - 甲状腺機能低下症を疑ったときの流れ
- まとめ
1.甲状腺機能低下症とは
- 甲状腺機能低下症は血中の甲状腺ホルモンの作用が必要よりも低下した状態です
- 甲状腺機能が低下すると以下のような様々な症状が出ることがあります
- 無気力
- 疲れやすい
- 目の周りのむくみ
- 寒がり
- 体重増加
- 動きが遅い
- 記憶力低下
- 便秘
- 声枯れ
- 意識障害
2.甲状腺機能低下の原因
甲状腺機能低下症の主な原因として以下のような原因があります。
- 原発性甲状腺機能低下症
- 慢性甲状腺炎(橋本病)
- 医原性(甲状腺切除術後、放射性ヨウ素治療後、外部放射線照射)
- ヨウ素過剰摂取
- 薬剤性(炭酸リチウム、アミオダロンなど)
- 二次性甲状腺機能低下症(TSH欠乏症):中枢性甲状腺機能低下症*
- 下垂体腫瘍
- 産後下垂体壊死(シーハン症候群)
- 外傷
- 三次性甲状腺機能低下症(TRH欠乏症):中枢性甲状腺機能低下症*
- 腫瘍性
- 外傷
- 放射線療法
*二次性と三次性の区別はTRHが測定できないことから中枢性甲状腺機能低下症とまとめられる
3.甲状腺機能低下を疑った時の流れ
- 問診
外傷、放射線治療、既往歴、食事内容、内服薬など確認します - 採血検査
甲状腺ホルモン(fT3、fT4)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、自己抗体(抗TPO抗体、抗Tg抗体)などを検査します
4.まとめ
- 甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモン低下の程度により、症状が軽く見逃されることもあります
- そのため疲れやすい、無気力、体重増加、便秘などの症状があれば、一度は採血検査で甲状腺機能を確認することが重要です。
参考文献
Up To Date :Disorders that cause hypothyroidism
実践!症例から学ぶ甲状腺疾患診療 Q&A