ニキビ
毛穴が詰まることで引き起こされる皮膚の炎症です。
医療用語では「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」といいます。主に顔、胸、背中などの皮脂腺が多い部分に発生しやすく、思春期に多く見られますが、成人でも発生します。
ニキビの原因
10歳ごろから成長に伴いホルモンバランスが変化し、皮脂の分泌が増加します。
毛穴に皮脂が溜まって皮膚のターンオーバーが正常に行われないと、古い角質が毛穴に溜まり(コメド)、皮脂と混ざり合って角栓を形成します(白ニキビ、黒ニキビ)。これがニキビの始まりです。
毛穴の中では皮脂が大好物のアクネ菌が増殖します。アクネ菌は炎症を起こす物質を呼び寄せ、炎症が起こります(赤ニキビ)。さらに炎症が進むと化膿したニキビ(黄色ニキビ)もみられます。
ニキビは毛穴のつまりから始まります。毛穴のつまりを治さない限り、ニキビは繰り返しできてしまいます!
当院でできるニキビ治療(コメド治療)
ニキビ治療は保険診療で行うことができます。治療を開始して良くなっていく時期と良くなった状態を維持するための時期を含め、3か月~1年くらいはかかるといわれています。きちんとした治療を腰を据えて行うためには、定期的に通院する必要があります。
保険適応内であれば治療費も負担になりにくく、長期間に及ぶ治療を継続することができます。
外用薬
角質をはがし毛穴のをつまりにくくする効果(ピーリング作用)、アクネ菌などニキビの原因菌を殺菌する(殺菌作用)効果がある外用薬を使用することが一般的です。
今あるニキビを治療しながら、続けることでニキビができにくい肌を目指すことができます。
ピーリング効果のあるものは、使い始めは皮膚がヒリヒリするなどの刺激症状が現れることがあります。1か月ほどで徐々に刺激を感じにくくなっていきますが、かぶれなどの他の症状が現れることがあるので、医師と相談しながら使用していくことが大切です。
内服治療
ニキビが中等度以上の場合や外用薬で十分に効果が得られない場合、内服薬を併用することがあります。
日常生活でのニキビの予防
適切なスキンケア
肌を清潔に保つために、適切な洗顔と保湿を行います。1日2回、十分に泡立てた洗顔料とぬるま湯で優しく洗いましょう。洗顔料・日焼け止め・スキンケア製品は、「ノンコメドジェニックテスト済(ニキビができにくいことが確認されているもの)」と記載のあるものや、低刺激のものがおすすめです。
バランスの良い食事
高GI食品、乳製品、高脂肪食品、加工食品、チョコレート、砂糖の入った飲料やカフェイン飲料は、皮脂を過剰に分泌したり、炎症を引き起こしたりする可能性があります。
生活習慣・ストレスの管理
ストレスはホルモンバランスに影響を与え、皮脂を過剰に分泌させます。またストレスにより免疫機能が低下したり、生活習慣の乱れにつながることで、ニキビを悪化させてしまいます。
まとめ
ニキビは毛穴のつまりから始まります。毛穴のつまりを治しニキビのできにくい肌を作っていくことがとても大切です。
効果的なコメド治療をするためには、自己判断で治療を行うよりも、医師の診察・指導のもとで専門的な治療を行うことがニキビの改善と再発予防が期待できます。
日本皮膚科学会:尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023
https://www.jstage.jst.go.jp/article/dermatol/133/3/133_407/_pdf/-char/ja