多汗症
多汗症は単なる「汗っかき」とは異なり、日常生活に支障をきたすほどの過剰な発汗を伴う病気の一つです。
原発性腋窩多汗症とは
明らかな原因がないにもかかわらず、日常生活で困るほど過剰に脇汗がでる病気です。およそ20人に1人はかかる珍しくない病気です。
しかし単なる体質の問題と考え、症状を放置してしまう人が多くいます。近年では保険適応での新薬も登場し、適切に治療を行うことで改善できるようになっています。
診断基準と重症度判定
診断基準
過剰な脇汗が、特定の原因がないまま6か月以上認められ、以下のうち2つ以上あてはまる場合に該当します。
- 最初に過剰な脇汗が出たのは25歳以下である
- 左右同じように脇汗がでる
- 睡眠中は脇汗が止まっている
- 1週間に1回以上、過剰な脇汗が出る
- 家族にも同じ病気の人がいる
- 脇汗によって日常生活で困ることがある
重症度判定
- 日常生活の支障に程度で重症度を判定します
- 汗は全く気にならず、日常生活に全く支障がない
- 発汗は我慢できるが、日常生活に時々支障がある
- 発汗はほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある
- 発汗は我慢できず、日常生活に支障がある
当院でできる多汗症の治療法
原発性腋窩多汗症は、汗を出す指令が何らかの原因で過剰になっていることによって起きています。保険適応での塗り薬が発売されており、使用することで汗を出す神経の指令をブロックして(抗コリン作用)効果をえることができます。
保険適応の治療薬(塗り薬)
商品名 | 適応年齢 | 形状 | 自己負担額(3割負担、28日分処方の場合) |
ラピフォート®ワイプ | 9歳以降から使用可能 | 1回個包装のシートタイプ | 約2200円 |
エクロック®ゲル | 12歳以降から使用可能 | ボトルタイプ | 約3000円 |
※自己負担額のほかに、初診・再診料、処方箋料、調剤料などがかかります。あらかじめご承知おきください。
治療の効果
これらの薬は治療開始から徐々に効果が現れます。毎日の使用を継続することで脇汗の量が減り、日常の困りごとを減らすことが期待できます。
注意事項
- 脇以外の部位には使用できません
- 薬がついた手で目を触らないようにしましょう。
- 傷や湿疹があるときは使用しないようにしましょう
脇汗が多くて日常生活で困っている方、今までドラッグストアの制汗剤や注射、手術などしか選択肢がないと思っていませんでしたか?
保険でカバーされる効果的な治療薬を試してみたい方はぜひご相談ください。