やけど(熱傷)
やけど(熱傷)とは、高温の火、蒸気、液体、放射線、化学物質などによって皮膚が損傷を受けた状態のことをいいます。
皮膚のやけどという印象が強いと思いますが、例えば熱い煙を吸った時に気道がやけどする(=気道熱傷)こともあります。「とても熱いものを食べてしまって口の中が痛い」という場合も、口腔内のやけどです。
※気道熱傷の場合はすぐに大きい病院に連絡してください。
ここでは一般家庭に一番多い皮膚のやけどについて説明します。
やけど(熱傷)の分類
やけど(熱傷)は「皮膚のどれくらい深い場所まで熱で障害されたか」でおもにⅠ~Ⅲ度に分類されます。
Ⅰ度熱傷
表皮のみの損傷で、赤みや軽い痛みが特徴です。適切なケアをすることで数日~数週間で治ります。
Ⅱ度熱傷
表皮と真皮の一部が損傷します。赤み、痛みに加え、水ぶくれができることがあります。水ぶくれが破れると、傷からの感染、痛みの悪化、傷の治りが悪くなったりして痕が残ってしまうこともあります。
Ⅲ度熱傷
真皮層よりさらに奥の組織が損傷し、皮膚は白く硬くなったり、黒く焦げたようになります。神経が損傷し痛みを感じられない場合もあります。手術や皮膚移植が必要になる場合もあります。
やけどの応急処置
やけどをしてしまったら、病院へ行くまでに応急処置を行いましょう。初期対応も熱傷の深さに大きく関わります。
流水で冷やす
水道水でよいので、流水でやけどが起きた部位を5~30分冷やしましょう。過度に冷えすぎたアイスノンなどを長時間当てすぎると、健康な皮膚の凍傷になる可能性もあります。
小児や高齢者で範囲が広い場合、長時間冷やすと低体温になることがあるので注意が必要です。
水ぶくれは破かない
水ぶくれができているようなら、できるだけ破らないようにして病院に行きましょう。服の上からお湯などをかぶってしまった場合、服を脱がせると水ぶくれを破いてしまうことがあるので、服の上から冷やすのがよいでしょう。
指輪などのアクセサリー類はすぐに外す
やけどした部位はだんだん腫れてきます。指などの場合、指輪などが外せなくなってしまうので早めに外しましょう。
まとめ
やけどをしてしまったら、安易に自己判断することはやめて直ちに受診をしましょう。赤みや痛みのみだけでなく、傷から感染を起こしたり、痕が残ってしまったり、神経や組織に影響を及ぼすことがあります。
やけどの程度に応じて応急処置や適切な治療を受けることが大切です。
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