腎・泌尿器疾患(慢性腎臓病、尿路感染症、性感染症、前立腺肥大症、過活動膀胱、男性更年期障害など)

慢性腎臓病とは

腎臓の機能が徐々に低下していく病気です。数ヶ月または数年にわたって徐々に進行し、最終的には腎不全を引き起こす可能性があります。

原因

慢性腎臓病のおもな原因は糖尿病や高血圧ですが、それ以外に自己免疫疾患、遺伝的要因、長期間の尿路感染症などもあります。

症状

初期の段階では目立った症状はほとんど見られませんが、病気が進行するにつれて疲労感、むくみ、尿の変化(泡立ちや色の変化)、食欲不振、筋肉痛などが現れることがあります。

治療

治療はおもに以下に分けられます

  • 高血圧の管理、糖尿病のコントロールなどの原因に対する治療
  • 腎機能の低下を遅らせるための治療

慢性腎臓病では一度損傷した腎組織は修復されないため、治療の目標は機能のさらなる低下を防ぎ、腎機能をできるだけ長く維持することになります。

著しく機能が低下した場合には、透析治療や腎移植が必要になることがあるので早期発見と対応が大切です。

慢性腎臓病を早期発見するために…

腎臓の機能の低下を早期発見するためには、定期的な健康診断を受けることが非常に有効です。

健康診断では血液検査、尿検査などで腎臓の健康状態を知ることができ、高血圧、糖尿病のリスクの有無を知り、保健指導を受けることで予防をすることができます。

定期健康診断などで異常の指摘を受けた場合は、早めの受診・相談をおすすめします。

当院では特定健診(日野市国民健康保険日野市以外国民健康保険)、定期健康診断をおこなっております。

慢性腎臓病

尿路感染症

尿路感染症とは、尿の通り道である腎盂、尿管、膀胱、尿道における感染症の総称す。大腸菌やクレブシエラ菌といった細菌が原因です。

症状

下部尿路感染症である尿道炎、膀胱炎では排尿時の痛み、残尿感、頻尿、血尿などの症状がみられます。

上部尿路感染症である腎盂腎炎は、腎臓まで感染が及んだ状態です。発熱、腰痛、吐き気、嘔吐などの全身の症状があらわれ、入院して強力な抗生物質による治療が必要になることがあります。

治療

受診時は院内で簡易的な尿検査を行います。感染を示す項目を調べ、検査結果と診察に合わせ、症状の程度により抗菌剤の処方を行います。

より重症で専門的な治療が必要な場合は、紹介状を持って大きな病院を受診していただく場合があります。排尿時の違和感や尿の異常を感じたら、症状が軽いうちに早めに適切な治療を受けるようにしましょう。

尿路感染にならないために

尿路感染症は特に尿道と膀胱の距離が短い女性がなりやすい感染症です。以下のことに日頃から注意して尿路感染症にならないように注意しましょう。

  • 水分摂取(1日1.5~2L程度)を積極的に行う
  • 排尿後は後ろから前(肛門から尿道口に)向かって拭く
  • ウォシュレットを使用する際は、肛門付近の雑菌が尿道口に飛ばないよう水圧に気を付ける

性感染症

性感染症は性行為によって広がる感染症のことです。クラミジア、淋病、梅毒、ヘルぺス、HIV/AIDS、B型、C型肝炎、トリコモナスなどがあります。

原因

性感染症は性行為を通じて感染する病気の総称です。これらは性的接触によって人から人へと伝播し、いくつかは血液、母子感染、または他の体液を介しても感染する可能性があります。

症状

クラミジア、淋病などは腎・尿路系に影響を及ぼし、尿道炎、膀胱炎、腎盂腎炎などを引きおこします。また、長期間放置することによる慢性的な感染は機能異常や不妊の原因にもなります。

検査

感染が疑わしい場合は、まずは院内でできる簡易検査で尿道などに炎症が起きていないかを調べます。その後、尿の検体から菌が検出されるか調べるために検査機関に検体を提出します。この場合、尿は中間尿ではなく最後の排尿から1時間以上我慢した後の尿が望ましいです。

また採血も行い、菌が採血で検出できるか調べます。

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治療

尿や血液から菌が検出された際は、それに応じた飲み薬や注射による治療を行います。

前立腺肥大症

前立腺肥大症は、前立腺が非がん性で肥大することによる症状を言います。通常は中高年の男性に多くみられ、年齢、ホルモンバランス、遺伝的要因、生活習慣などが原因となります。

尿の勢いが悪くなる、出るまでに時間がかかる、尿道の詰まり感、出るまでに時間がかかる、夜間の頻尿、尿漏れや失禁、繰り返す尿路感染症などがあります。

症状の改善には薬物療法とともに、生活習慣の変更(カフェインやアルコールの節制、規則正しい排尿習慣をつける、適度な運動)が有効です。症状が重い場合や上記の方法で改善が乏しい場合は手術などが検討する場合もあります。

前立腺肥大症は生命を脅かすものではありませんが、生活の質を著しく低下させる可能性があります。まずはご相談ください。

男性更年期障害

男性更年期障害は中年期以降の男性に見られる身体的および心理的症状のことです。これは男性ホルモンであるテストステロンが加齢により低下するために起きる生理的な変化ですが、ストレスや生活習慣病も影響を与えると考えられています。

診断は症状の自己評価(質問票やチェックリスト、症状の記録、継続的なモニタリング)、血液検査によるホルモン量の測定、心理的評価を含む医療面接によって総合的に行われます。

治療は生活習慣の改善(運動、食事、十分な睡眠、ストレスの軽減など)、カウンセリングなどの心理的サポート、ホルモンの補充療法などを行います。

男性更年期障害の症状は個人差があり、全ての男性が経験するわけではありません。しかし症状が日常生活に影響を与える場合もあり、生活の質を低下させることもあります。適切な治療とサポートにより症状の改善を目指すことができます。お困りの際はご相談ください。