溶連菌感染症
溶連菌は誰もがのどや鼻の中にもっている常在菌のひとつです。A群、B群などさまざまな種類があり、その中でもA群β溶血連鎖球菌という種類によって起こるのが溶連菌感染症です。
年間通してかかる可能性はありますが、おもに11月~4月頃に流行します。2~14歳くらいの子どもにかかることが多いですが、大人でも感染することがあります。
潜伏期間は2~5日ほどです。
溶連菌感染症の症状
おもな症状は発熱(38.0~39.0℃)とのどの痛みですが、3歳未満ではあまり熱があがらないこともあります。
体や手足に小さくて赤い発疹が出たり、舌にイチゴのようなツブツブができたりします(イチゴ舌)。
ほかに頭痛、首すじのリンパ節の腫れ、腹痛や嘔吐などのおなかの症状がでることもあります。風邪とは違い、咳や鼻水が出にくいのが特徴です。急性期を過ぎると、発疹の跡に皮むけがみられるようになります。
溶連菌の検査
年齢や周囲の感染状況、溶連菌感染症を疑わせる症状を確認し検査を行います。溶連菌は常在菌のため、特徴的な症状がなくても検査をすると陽性になる可能性があります。検査は綿棒でのどをぬぐい、判定キットをつかって陽性か陰性かの判断します。
治療
溶連菌感染症の診断がつくと、抗菌薬を処方します。抗菌薬は病気の原因になっている溶連菌を治療することができる大事なお薬です。そのほかに、熱、のどの痛みやおなかの症状に合わせたお薬を処方します。
抗菌薬を飲み始めてから24時間ほどで感染力はなくなると言われており、2~3日で症状も落ち着きます。しかし、処方された抗菌薬を中断すると合併症を起こすリスクがあります。途中でやめずに飲み切るようにしてください。
おうちでの過ごし方
のどの痛みや消化器症状でご飯が食べられなくなったり、水分が取れなくなってしまうことがあります。のど越しの良い食べ物で栄養をとり、水分をこまめに取らせて脱水症状を予防しましょう。
また咳、鼻水などの症状は出にくいですが、普段の生活の中での接触、飛沫などで感染してしまいます。同居している家族、兄弟などにうつさないよう、手洗い・うがいなどの予防をしっかりしましょう。
出席停止期間
子どもの場合は溶連菌に感染したときの出席停止日数や目安が決まっています。 抗菌薬の内服後24時間以上たてば、ウィルスの感染力は弱まるといわれています。
なお、社会人は溶連菌に感染した場合の出勤停止日数などは特に定められていません。